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旅行+生活情報+ドイツ語と、ちょっと言いたい今日のドイツ

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2011/06/14 (Tue)
ノルマンディー上陸作戦を記憶するビーチ No.1
第2次世界大戦のノルマンディー上陸作戦は有名ですが、どこだったか言えますか?
イギリスの南方に位置する、ノルマンディー地方北部の海岸です。

atlantic_wall.jpg当時はドイツ側も連合軍が上陸してくることを予期して、イギリスから上陸可能な海岸線をノルウェーからフランスまで、「大西洋の壁」と呼ばれる海岸守備網を建設していました。実際には物資不足で、壁が完成することはありませんでしたが、イギリスに一番近いカレーを中心に、そこから東西に守備網が続ていました。

連合軍側は早くからノルマンディーへの上陸を計画していましたが、いくつもの偽装工作をし、ノルマンディー上陸はないとドイツに思わせることに成功したのが、この上陸作戦の成功の鍵となりました。

しかし、この上陸作戦の成功については、ただ連合軍側の作戦だけではなく、ドイツ軍側にも問題があったようです。
  1. 連合軍が上陸するのはノルマンディーだと考えていたロンメル陸軍元帥が海岸線守備の補強を訴えたにかかわらず、もう一人の元帥が内陸地での戦闘を提唱したために、海岸線守備に半分の兵力しか投入できなかった。
  2. また、守備に当たった兵士たちは東部戦線から来た非ドイツ人や弱小者が多かったために士気が高まらず、連合軍が上陸したあとは簡単に降参する兵士が多かった。
  3. 後方に待機していた3個師団は、出動に必要なヒットラーの許可が遅くなったため、海岸地方に向かう途中に連合軍の爆撃を受けて多くの戦車を失った。
  4. 連合軍が先に行ったフランス内陸部の爆撃のせいで道路が破壊されたりしたため、ドイツ軍への物資がなかなか届かなかった。
  5. 上陸前夜にイギリスからフランスのレジスタンスにあてた暗号放送をキャッチしたドイツ側情報部が軍最高司令部とカレーに警告を送ったが、ノルマンディー上陸はないと考えられていたために、ノルマンディーには届いていなかった。
ロンメル元帥が提唱した通りに海岸線に全兵力を集めていたら、大成功を収めた上陸作戦もまた違った結果になっていたかもしれなかったわけです。

d_day-7.jpg
海岸線を守備するドイツ軍(ドイツ軍資料)

d_day-6a.jpg
海岸線の障害物。向こうに連合軍が見える(ドイツ軍資料:クリックで拡大)

この大西洋の壁に挑戦した連合軍側は、アメリカ、イギリス、そしてカナダ。
作戦開始は1944年6月6日。
上陸は海と空からで、空からはパラシュート部隊が内陸部に降下して、ドイツ軍の背後に回り込む作戦でした。
下の写真をクリックして拡大すると、海路と空路、および参加国の上陸地点がよくわかります。

アメリカ軍:オマハビーチユタビーチ
イギリス軍:ゴールドビーチソードビーチ
カナダ軍:ジュノービーチ(ゴールドビーチとソードビーチの中間)

d_day_museum-3a.jpg


さて、前勉強はこのくらいにして、そろそろゴールドビーチに到着です。
上の地図で言うと、左から3番目の矢印の場所。
イギリス軍が上陸したアロマンシェスのビーチです。

goldbeach.jpg
イギリス軍が上陸したゴールドビーチ(引き潮時)
 
多くの犠牲を払って連合軍が上陸したこのビーチに立てば、当時の様子が知りたくなります。
そこでお勧めなのは、ここの海岸にある「Musée du Débarquement」(ノルマンディー上陸博物館)。ここに上陸したイギリス部隊の資料は興味深いです。
また、連合軍が上陸した各ビーチにもそれぞれの博物館があるので、各ビーチの上陸の様子がよくわかります。

d_day_museum.jpg
ノルマンディー上陸博物館

d_day_museum-1.jpg
向こう側の平和なお土産屋さんとミスマッチする兵器

d_day_museum-2.jpg
作戦に使用した船などのモデル

博物館の中にも当時の写真がありましたが、イギリスやアメリカ政府の機密書類だった当時の写真がすでに公開されていて、Wikipediaにも載っているのでここに持ってきました。
当時の様子が垣間見えます。

d_day-5.jpg
ジュノービーチに向かうカナダ軍

d_day-3.jpg
海岸が近づいてくる

d_day-2.jpg
オマハビーチに上陸するアメリカ軍

d_day-1.jpg
ユタビーチに上陸したアメリカ軍

D-Day
上陸成功後(クリックで拡大)
 

上陸作戦では、どのビーチでも多数の犠牲者が出ました。
さえぎる物のないオマハビーチでは集中攻撃を受け、50%にあたる約3000人の兵士が数時間のうちに死亡しています。
また、ジュノービーチに上陸したカナダ軍も、ドイツ軍の一斉射撃の的となり、ビーチにたどり着けなかった兵士が続出して、上陸開始約1時間で50%の死亡者が出ました。

映画「Private Ryan」には、この過酷な上陸戦闘シーンがあります。
非常にリアルに撮影されていてショッキングなシーンもありますが、実際も恐らくこんな様子だったんじゃないかと思います。
映画では20分程度で終わるこの戦闘シーン、現実には数時間続きました。


さて、引き潮になるとビーチに現れる当時の遺物ですが、下のようなものです。

goldbeach-1.jpg

当時に作られたあるものの名残なのですが、今回は記事が長くなりすぎるのでちょっと無理。
次回にご紹介することにしますね~

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