2009/11/17 (Tue) Schopftintling (ショップティントリング) 美味なキノコ

昨日ダンナが特上のキノコを見つけてきました。
お味は最高のランクに入っている、そう頻繁には目にしないキノコなので、この機会にここで紹介したいと思います。

ドイツには日本と全く違う種類のキノコが生えています。
その中には食用の美味しいキノコもたくさんありますが、毒キノコもたくさんあるので、ドイツ人でも慎重を期する人がたくさんいます。
キノコは間違うとえらいことにもなりますが、私は食用キノコを見分けるためのコースに参加したので、いくつかの食用キノコを知っています。
今回ご紹介するキノコはすでに毒見もしてあるので、キノコを間違えさえしなければ心配には及びません。いえいえ、特徴のある外見のため、心配なそっくりさんはいないようですからご安心を


このキノコはSchopftintling (ショップティントリング)と言います。
傘の下のひだの色が、若い時は白く、古くなるとTinte(インク)色になって、触ると真黒な色が手に移ることからTintenpilz(インクキノコ)とも呼ばれます。
（下画像はWikipediaより：クリックで拡大）
４月から１１月まで（主に秋）、野原や道端にグループで見かけられます。町中では、芝生の真ん中に顔を出すこともあります。

傘は10ｃｍくらいまでの長さになります。とても若いものは地面から細長い卵が突き出ているような形で、大きくなるにつれて茎が伸び、傘が開いていきます。
傘の色は若い時は真っ白で、大きくなると縁が薄い茶色をしてきて、傘の頂点は茶色から赤茶色になります。表面はささくれ立った感じで、大きくなるにしたがって、それが切れて燐片状にくっつきます。

このキノコは大きくなるとひだが黒くなり、触ると色が移ることから簡単に見分けることができます。つまり、こういう特徴はこのキノコしかないということです。そのため、そっくりな別のキノコを手に取ってしまう危険はないでしょう。

さて、このキノコを見つけたはいいが、どうやって食べるんだい？と思われる方もいるでしょう。
そこで、今度は調理の仕方をご教授いたしましょう。昨日調理したので写真を撮っておきました。
興味のある方は追記からどうぞ。

ドイツで見かけるキノコの種類を名前と写真から探せるサイトを見つけたので載せておきます。キノコを見つけたがなんというキノコで食用か毒かわからないときは、こちらを参照してみてください。
Pilze von A - Z

このキノコは、ひだはたくさんだけれど、肝心の食用部分が非常に少ない。なので、一つから取れる部分はほんのわずかなのが玉に傷です。
もうひとつ気をつけなければいけないのが、いい状態で採ってきてもほっておくとひだが黒くなってしまうことです。すぐに古くなるので、調理はできるだけ早くしましょう。私はそれを知らなかったので、捨てるところが増えてしまった（＾＾；）

注）キノコは早く痛むので、２４時間以内に調理をするのが基本です。このキノコはそれに輪をかけて早く調理しましょう。調理した後は３日間冷蔵庫で保存できます。後で温める場合は、キノコとほうれん草は高温にしないように気をつけてください。再度温めるときに高温にすると、毒素が出てきます。

傘の中に虫が入り込んでいることもあるので、まずキノコを洗いましょう。
水に付けると茎が裂けて、まるでイカみたい。右上のキノコの縁がすでに黒くなってきてる。

洗った後のキノコ。傘のささくれだった表面が取れてきています。クリックで写真が拡大できます。
右はすでに古くなり始めたキノコの断面図。黒くなってきているのはひだ。
お肉部分は色変わりしませんが、ひだに色が付く前に調理しましょう。


あれだけの量があったのに、たったのこれだけになりました。
黒くなってしまったキノコを２つほど捨てたし、肉の部分自体がすごく薄いんです。
どれだけ薄く切らないといけないかわかるでしょ？


ドイツではキノコの調理にいる調味料はたったの三つ。バターと塩と胡椒だけ。
これだけで美味しいキノコが、お味のランクの上位に入ります。


そして出来上がったのがこちら。キノコだけじゃ寂しいのでサラダをちびっと付けてみました。
なにせ、６個のキノコから出来上がったのがたったこれだけだもんね。

さて、どんな味なのか気になるところですよね？
こういう味、という比較が難しいのですが、同じ高ランクのParasol(カラカサタケ)に似ています。
口にすると美味しさが広がって、「美味い！」と一言出ること請け合いです。
日本にはない秋の珍味、機会がありましたら是非お試しあれ