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2011/11/30 (Wed)
Advent Advent アドベントはなぜあるの?
11月27日からAdvent (アドベント:待降節)が始まりましたね。
アドベントは日本では馴染みがないですが、ヨーロッパではクリスマスの準備をする大事な期間で、クリスマスのお菓子を作ったり、クリスマスプレゼントを探しにクリスマスマーケットを訪れる時期でもあります。
しかし、なぜアドベントがあるのかご存じですか?
過去記事の「なぜカーニバルは11月11日11時に始まるのか?」で、クリスマス前に断食の期間があると書きましたが、実はこの断食期間がアドベントなんです。
アドベントの語源はラテン語で「到来」という意味で、キリスト教ではキリストの到来(生誕)を持ち望むことを表しています。
このアドベントを断食の期間と定めたのは教会なのですが、それには理由があります。
下はWikipedia からの引用です。
アドベントは断食と共に、クリスマス前の悔い改める期間でもあったため、アドベント期間中はお祭りやパーティーや盛大な結婚式はしてはいけなかったし、ダンスを踊ってもいけませんでした。また、特別なことがなければアドベント期間は(今でも)グローリアは歌われません。
この時期には、断食の期間を表す紫色の典礼色が用いられますが、第3日曜日はキリストの生誕がまじかなことを喜ぶ意味で、薄い紫色(薄いピンク色)が使用されます。
断食期間に使用される紫色の祭壇布と祭服(Wikipedia より)
さて、昔のアドベントは6週間もあったことはわかりましたが、現在のような4週間のアドベントに変わったのはいつなんでしょう?
変更されたのは意外と早く、7世紀でした。
クリスマス前の、日曜日が4回来る期間がアドベントとして決められましたが、必ず日曜日から始まり、クリスマスイブで終わるので、その年によってアドベントが長くなったり短くなったりします。
4回の日曜日というのは、アダムとイブがリンゴの木実を食べるという罪を犯してから4000年後に救世主が現れると、教会の歴史に書かれていることから来ています。しかし、地方によっては昔からの習慣を頑なに守っているところもあり、ミラノ地方やギリシャ正教では未だに6週間です。
アドベントは長い間、断食と悔い改めの期間でしたが、1917年からはカトリック教会がアドベントに断食を強要することはなくなりました。
それ以降、だんだん現在の形が出来上がってきたんですね。
アドベントになくてはならないのはAdventskranz (アドベントクランツ)ですが、これはドイツのプロテスタント神学者が1839年に23本のろうそくをクランツに立てたのが始まりだとされています。クランツ(花や木の葉で編んだ花輪)の形にはいろいろな意味が考えられますが、1年中緑であるモミの木の葉は、復活して永遠となるキリストの命を、ろうそくの灯はクリスマスの夜に世界を照らす光を表しているそうです。
4本のろうそくはアドベント期間の大事な日である4回の日曜日を示していて、地方によってはこのろうそくの色も断食期間の典礼色にならって、3本の紫と1本の薄いピンクのろうそくが立てられます。
世界で初めて作られたアドベントクランツ(Wikipedia より)
アドベントカレンダー
アドベントカレンダーは、1851年にドイツのプロテスタント教徒が手作りのアドベントカレンダーを作ったのが始めだと推測されています。
アドベントカレンダーは大体が子供たちのためで、紙や布などで作られ、1―24もしくは25までの日付の窓やポケットがついており、毎日一つづつ窓を開けていきます。
アドベントカレンダーの形は様々で、四角い紙に薄っぺらい窓が付いているだけのものや、四角い箱に窓がついていて、窓を開けるとチョコレートや玩具が入っていたりしますが、手作りカレンダーもよく作られ、アイデア豊かな素敵なカレンダーがたくさんあります。
ドイツでは市役所がアドベントカレンダーに変身するところもあり、雰囲気づくりに役立っています。
ハッティンゲンの市役所(Wikipedia より)
ゲンゲンバッハの市役所(Wikipedia より)
窓用の飾り
ドイツではこの他に、窓用の独特な飾りがあります。
Erzgebirgischer Schwibbogen という、エルツ山地で作られているアーチ型の飾りです。
元々は、いつも光のないところで働いているエルツ山地の鉱山の人たちが、暗い冬の季節に光に焦がれて窓に飾ったのが始めで、すべてのろうそくがともっていれば、家族全員が無事に鉱山から帰ってきたことを表していたのだそうです。
今では鉱山とは関係のない、クリスマス関係のモチーフで作られたSchwibbogen がたくさん出回っています。
アドベントの夜に窓に飾られるSchwibbogen(シュビブボーゲン)(Wikipedia より)
エルツ山地は木のおもちゃで有名で、Weihnachtspyramide (クリスマスピラミッド)もアドベントによく飾られますが、巨大なピラミッドがクリスマスマーケットに登場することもあります。
ドレスデンのクリスマスマーケットに登場したクリスマスピラミッド(Wikipedia より)
クリスマスのお菓子
アドベントになるとどこの家でもクリスマス用にクッキーを焼きますが、この習慣はどのようにしてできたのか知っていますか?
由来その1
昔のトルコに実在した聖ニコラウス(現在のサンタクロースの元になった司教)は貧しい人々を助けたことで有名ですが、貧しすぎて娘を売らなければならなくなった父親に3個の金の玉を与えた逸話から、金の玉がいつしかリンゴになり、12月6日の聖ニコラウスの日にニコラウスが子供たちにリンゴを持ってくるようになりました。
そして時代が過ぎていくうちに、今度は木を天井から吊るす(クリスマスツリーの原型)ようになり、木にリンゴを飾るようになりましたが、時の流れと共にクッキーも木に飾るようになりました。
当時はクッキーは特別な物だったからです。
由来その2
昔は食糧を保存する方法がなかったため、冬は食糧が少なくなって、油脂を摂取することが難しくなります。そのため、冬用に保存食を作るのは、当時は大事な仕事でした。
クッキーは砂糖と油脂が入っているので、ちょうどいい保存食だったのです。
また、クッキーを作るのは、当時は手間がかかったので、クリスマスをお祝いするのに何か特別なものをと考えた人々が、クッキーを焼くようになったそうです。
クリスマスマーケット
クリスマスマーケットは元々、冬の準備のために食糧や物をそろえるための市場でした。
それが時代の流れと共に、クリスマスの準備のための市場に変わっていきました。
今では昔ながらのクリスマスの飾り物の他に、様々な工芸品やハンドクラフト、アクセサリーなどが店先をにぎわせています。
クリスマス用の商品が並ぶ(Wikipedia より)
アドベントがなぜあるのか知らなかった方も、これで他の人に教えてあげることができますね。
キリスト教徒にとってはイースターと同じくらい大切なお祭りであるクリスマスも、もうすぐです。
ドイツに滞在されている方は、クリスマスマーケットに出かけたり、クッキーを作ったりしてアドベントを楽しまれてはいかがでしょうか。
参考記事
Advent
アドベント
待降節(アドベント)―その由来・意義・慣習について
Weihnachtsbräuche – Backen und Schenken
アドベントは日本では馴染みがないですが、ヨーロッパではクリスマスの準備をする大事な期間で、クリスマスのお菓子を作ったり、クリスマスプレゼントを探しにクリスマスマーケットを訪れる時期でもあります。
しかし、なぜアドベントがあるのかご存じですか?
過去記事の「なぜカーニバルは11月11日11時に始まるのか?」で、クリスマス前に断食の期間があると書きましたが、実はこの断食期間がアドベントなんです。
アドベントの語源はラテン語で「到来」という意味で、キリスト教ではキリストの到来(生誕)を持ち望むことを表しています。
このアドベントを断食の期間と定めたのは教会なのですが、それには理由があります。
下はWikipedia からの引用です。
ドイツ語版Wikipedia によると、大昔のアドベントは11月11日からDreikoenigstag である1月6日(公現祭:昔はこの日がクリスマスだった)までで、その期間内は日曜日に肉類を食べてはいけなかったそうです。アドベントをどうやって守るかを定めた、現存する中で一番古い文献は、トゥールの司教ペルペトゥス(490年没)による、11月11日からクリスマスまで週3回の断食を命じたものである。これはもともと、東方教会で、1月6日の公現祭(降誕日でもある)に洗礼を受ける予定の者が、その日のために、断食と、悔改めを行う準備期間であったためで、それが、西方教会においてクリスマス前の習慣となったのである。
注)東方教会は中東・ギリシャ・アナトリア・東ヨーロッパに広がり成長したキリスト教諸教派(正教会、東方諸教会)の総称。西方教会は西ヨーロッパに広がり成長したキリスト教諸教派(ローマ・カトリック教会、聖公会、プロテスタント、アナバプテストなど)の総称
アドベントは断食と共に、クリスマス前の悔い改める期間でもあったため、アドベント期間中はお祭りやパーティーや盛大な結婚式はしてはいけなかったし、ダンスを踊ってもいけませんでした。また、特別なことがなければアドベント期間は(今でも)グローリアは歌われません。
この時期には、断食の期間を表す紫色の典礼色が用いられますが、第3日曜日はキリストの生誕がまじかなことを喜ぶ意味で、薄い紫色(薄いピンク色)が使用されます。
断食期間に使用される紫色の祭壇布と祭服(Wikipedia より)
さて、昔のアドベントは6週間もあったことはわかりましたが、現在のような4週間のアドベントに変わったのはいつなんでしょう?
変更されたのは意外と早く、7世紀でした。
クリスマス前の、日曜日が4回来る期間がアドベントとして決められましたが、必ず日曜日から始まり、クリスマスイブで終わるので、その年によってアドベントが長くなったり短くなったりします。
4回の日曜日というのは、アダムとイブがリンゴの木実を食べるという罪を犯してから4000年後に救世主が現れると、教会の歴史に書かれていることから来ています。しかし、地方によっては昔からの習慣を頑なに守っているところもあり、ミラノ地方やギリシャ正教では未だに6週間です。
アドベントは長い間、断食と悔い改めの期間でしたが、1917年からはカトリック教会がアドベントに断食を強要することはなくなりました。
それ以降、だんだん現在の形が出来上がってきたんですね。
アドベントの習慣
アドベントクランツアドベントになくてはならないのはAdventskranz (アドベントクランツ)ですが、これはドイツのプロテスタント神学者が1839年に23本のろうそくをクランツに立てたのが始まりだとされています。クランツ(花や木の葉で編んだ花輪)の形にはいろいろな意味が考えられますが、1年中緑であるモミの木の葉は、復活して永遠となるキリストの命を、ろうそくの灯はクリスマスの夜に世界を照らす光を表しているそうです。
4本のろうそくはアドベント期間の大事な日である4回の日曜日を示していて、地方によってはこのろうそくの色も断食期間の典礼色にならって、3本の紫と1本の薄いピンクのろうそくが立てられます。
世界で初めて作られたアドベントクランツ(Wikipedia より)
アドベントカレンダー
アドベントカレンダーは、1851年にドイツのプロテスタント教徒が手作りのアドベントカレンダーを作ったのが始めだと推測されています。
アドベントカレンダーは大体が子供たちのためで、紙や布などで作られ、1―24もしくは25までの日付の窓やポケットがついており、毎日一つづつ窓を開けていきます。
アドベントカレンダーの形は様々で、四角い紙に薄っぺらい窓が付いているだけのものや、四角い箱に窓がついていて、窓を開けるとチョコレートや玩具が入っていたりしますが、手作りカレンダーもよく作られ、アイデア豊かな素敵なカレンダーがたくさんあります。
ドイツでは市役所がアドベントカレンダーに変身するところもあり、雰囲気づくりに役立っています。
ハッティンゲンの市役所(Wikipedia より)
ゲンゲンバッハの市役所(Wikipedia より)
窓用の飾り
ドイツではこの他に、窓用の独特な飾りがあります。
Erzgebirgischer Schwibbogen という、エルツ山地で作られているアーチ型の飾りです。
元々は、いつも光のないところで働いているエルツ山地の鉱山の人たちが、暗い冬の季節に光に焦がれて窓に飾ったのが始めで、すべてのろうそくがともっていれば、家族全員が無事に鉱山から帰ってきたことを表していたのだそうです。
今では鉱山とは関係のない、クリスマス関係のモチーフで作られたSchwibbogen がたくさん出回っています。
アドベントの夜に窓に飾られるSchwibbogen(シュビブボーゲン)(Wikipedia より)
エルツ山地は木のおもちゃで有名で、Weihnachtspyramide (クリスマスピラミッド)もアドベントによく飾られますが、巨大なピラミッドがクリスマスマーケットに登場することもあります。
ドレスデンのクリスマスマーケットに登場したクリスマスピラミッド(Wikipedia より)
クリスマスのお菓子
アドベントになるとどこの家でもクリスマス用にクッキーを焼きますが、この習慣はどのようにしてできたのか知っていますか?
由来その1
昔のトルコに実在した聖ニコラウス(現在のサンタクロースの元になった司教)は貧しい人々を助けたことで有名ですが、貧しすぎて娘を売らなければならなくなった父親に3個の金の玉を与えた逸話から、金の玉がいつしかリンゴになり、12月6日の聖ニコラウスの日にニコラウスが子供たちにリンゴを持ってくるようになりました。
そして時代が過ぎていくうちに、今度は木を天井から吊るす(クリスマスツリーの原型)ようになり、木にリンゴを飾るようになりましたが、時の流れと共にクッキーも木に飾るようになりました。
当時はクッキーは特別な物だったからです。
由来その2
昔は食糧を保存する方法がなかったため、冬は食糧が少なくなって、油脂を摂取することが難しくなります。そのため、冬用に保存食を作るのは、当時は大事な仕事でした。
クッキーは砂糖と油脂が入っているので、ちょうどいい保存食だったのです。
また、クッキーを作るのは、当時は手間がかかったので、クリスマスをお祝いするのに何か特別なものをと考えた人々が、クッキーを焼くようになったそうです。
クリスマスマーケット
クリスマスマーケットは元々、冬の準備のために食糧や物をそろえるための市場でした。
それが時代の流れと共に、クリスマスの準備のための市場に変わっていきました。
今では昔ながらのクリスマスの飾り物の他に、様々な工芸品やハンドクラフト、アクセサリーなどが店先をにぎわせています。
クリスマス用の商品が並ぶ(Wikipedia より)
アドベントがなぜあるのか知らなかった方も、これで他の人に教えてあげることができますね。
キリスト教徒にとってはイースターと同じくらい大切なお祭りであるクリスマスも、もうすぐです。
ドイツに滞在されている方は、クリスマスマーケットに出かけたり、クッキーを作ったりしてアドベントを楽しまれてはいかがでしょうか。
参考記事
Advent
アドベント
待降節(アドベント)―その由来・意義・慣習について
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