旅行+生活情報+ドイツ語と、ちょっと言いたい今日のドイツ
2024/11/25 (Mon)
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2013/10/26 (Sat)
・・・死の宣告・・・
ある日突然、あなたが生きていられるのはあと1週間かもしれない、と医者に言われたらどうしますか?
そんなこと、考えたこともないでしょうね。
でも、たまにですが、本当にそんなことが起きる可能性はあるんです。
姑のように。
彼女はすでに今年の1月から、下腹部に違和感を感じていました。
3月には医者にも行き、5月に精密検査もしたけれど、別に何も発見されず、異常なしとの診断が下されました。
医者から異常なしと聞いて、ほっとした彼女。
そのうち腸の具合もよくなるだろうと軽く考えていたそうです。
ところが10月に入ってからお腹が異常に大きくなり、再度医者を訪れることになりました。
そして発見されたのは腹水。
お腹の中に水が溜まっていたわけですが、これは重い病気の症状の一つです。
すぐに医者から病院に連絡がなされ、姑はその日のうちに大病院に行かされました。
医者の懸念が大きかったのがよくわかります。
ドイツでは、単に検査を受けたい場合は1~2か月先の予約になりますから。
大病院では心電図に血液検査、胃カメラなど、あちこちに引っ張りまわされて、やっと病室に帰ってきたらすでに食事時間は終わっており、朝から晩まで何も食べられない有様でした。
そんな検査が4~5日も続いた後、姑はやっと医者から診断を聞くことになりました。
医者の診断は卵巣癌。
それも、すでに大網膜と腸に移転してしまっていました。
姑はショックのあまり、やっとまともな食事にありついても、食欲がなくなっている。
そんな姑をさらに追い詰める説明が後から追いかけてきました。
手術の日は決定したけれど、それにはリスクがある。
最悪の場合、手術中に命を落とす可能性がある、と・・・
姑は3月に腸の具合がよくないために医者にかかりましたが、実は同時に深部静脈血栓症(エコノミー症候群として知られている)の相談もしていました。
血栓症は血管の中に血栓と言われる塊ができ、大きくなると血管を詰まらせてその先の血管が壊死してしまう病気ですが、姑の場合は足の血管にできていて、時々痛んでいました。
そして大病院の検査の結果、足の血栓から剥がれた小さな塊が血流に乗って移動し、肺にまで流れ着いていたのが発見されたのでした。
これは医者にとって大きな問題になりました。
血栓が肺にできる病気を肺血栓塞栓症と言いますが、肺血管が詰まってしまうと最悪の場合死亡してしまうので、血液を薄める薬が処方されます。
しかし、この薬を使用していると出血時に血が止まらなくなるため、手術ができない。
そして、癌は今すぐに切除しなければならない状態にきている。
手術をするためには、血栓症の治療をいったん止めなければいけなくなるわけです。
そしてそれは、すでに肺に血栓ができている姑には大きなリスクになる。
体を流れる血の速さはその部位によって異なりますが、平均して1分間に約1.2キロも移動します。そして、手術中にまた足の血栓が剥がれ、肺に移動して肺の血管がふさがったら、酸素交換ができなくなって姑は死亡してしまうのです。
日本では考えられないことですが、ドイツでは癌宣告はもとより、こういう生死にかかわることまですべて患者に説明します。
そばに家族が付いているわけでもない。
患者は一人で全てを受け入れなければならないんです。
病院で癌宣告を受けた後、姑はすぐに家族に電話で報告しました。
家族が受けたショックは大きかったですが、その後で来た手術のリスクの話に愕然となったのはお判りでしょう。
姑が病院にいると聞いて、たくさんの人が家のほうに電話をかけてきました。
舅はそのたびに姑の病状を説明しなければならず、自分が参ってしまう寸前でしたが、すべての検査を終え、手術の日まで家にいったん帰ってきた姑も同じ状態に追い込まれてしまいました。
お見舞いの電話やお見舞いの花を持ってきてくれた人たちに、手術中に自分が死ぬかもしれないことを何度も説明しなければいけないなんて、これほど残酷なことはありませんよ。
ついに、ダンナの妹が家族のスポークスマンになることを宣言し、家にかかってきた電話は彼女に行くようにしました。
手術の日が近づいてくるにつれて、姑の苦悩は大きくなっていったはずです。
手術が成功する可能性も大きいけれど、彼女にとっては死の宣告を受けたも同然なんですから。
たった1週間で死への心構えができる人なんているでしょうか?
奈落の底に落とされて、這い上がってこられないのは普通でしょう。
そんな状態で何度も自分の病状の説明をしなければならなかった彼女は、苦しかったでしょうに・・・
手術前日の日、姑はまた病院に入院しました。
彼女がどんな気持ちだったか、誰にも知りえません。
手術は約6時間の大手術でした。
その間中、彼女の家族や親戚、友人はみな、彼女のために祈っていました。
彼女を失うかもしれない恐怖感と戦いながら・・・
手術が終わる予定の時間が過ぎ、そろそろ病院から連絡が来るかと時計を何度も見る中、
1時間が経過し、
2時間が経過。
それでも連絡は入ってこず、家族が待つ部屋には緊張した空気が漂ってきました。
なぜ連絡が来ないんだ?
何か起こったのか?
彼女は大丈夫なのか?
そして2時間半が経ち・・・・・・やっと病院から連絡が来ました。
姑の手術は成功したと!
ほっとしたのと同時に、みんなの顔に笑顔が戻ってきました。
病院は、姑が完全に覚醒するまで大事を取って待っていたんだそうです。
こっちはそういうことを知らないから、顔がこわばってきてましたよ~
すぐに舅とダンナの妹が、姑の様子を見に病院に向かいました。
姑は大手術で疲れ切っていましたが、ちゃんと話もできる状態だったそうです。
それを聞いて私たちも、やっと安心できました。
麻酔から目覚めたとき、姑は心からほっとしたでしょうね。
自分がまだ生きていることを、神様に感謝したかもしれません。
最悪の事態にならずに、本当に良かったです。
姑の癌との戦いはまだ始まったばかりだけれど、幸先のいいスタートです。
化学治療も控えていて治療生活は楽ではないですが、
一度は覚悟し、新しく拾った命ですもの。
われわれ家族も支えるから、生への希望に向かって前進して欲しいです。
そんなこと、考えたこともないでしょうね。
でも、たまにですが、本当にそんなことが起きる可能性はあるんです。
姑のように。
彼女はすでに今年の1月から、下腹部に違和感を感じていました。
3月には医者にも行き、5月に精密検査もしたけれど、別に何も発見されず、異常なしとの診断が下されました。
医者から異常なしと聞いて、ほっとした彼女。
そのうち腸の具合もよくなるだろうと軽く考えていたそうです。
ところが10月に入ってからお腹が異常に大きくなり、再度医者を訪れることになりました。
そして発見されたのは腹水。
お腹の中に水が溜まっていたわけですが、これは重い病気の症状の一つです。
すぐに医者から病院に連絡がなされ、姑はその日のうちに大病院に行かされました。
医者の懸念が大きかったのがよくわかります。
ドイツでは、単に検査を受けたい場合は1~2か月先の予約になりますから。
大病院では心電図に血液検査、胃カメラなど、あちこちに引っ張りまわされて、やっと病室に帰ってきたらすでに食事時間は終わっており、朝から晩まで何も食べられない有様でした。
そんな検査が4~5日も続いた後、姑はやっと医者から診断を聞くことになりました。
医者の診断は卵巣癌。
それも、すでに大網膜と腸に移転してしまっていました。
姑はショックのあまり、やっとまともな食事にありついても、食欲がなくなっている。
そんな姑をさらに追い詰める説明が後から追いかけてきました。
手術の日は決定したけれど、それにはリスクがある。
最悪の場合、手術中に命を落とす可能性がある、と・・・
姑は3月に腸の具合がよくないために医者にかかりましたが、実は同時に深部静脈血栓症(エコノミー症候群として知られている)の相談もしていました。
血栓症は血管の中に血栓と言われる塊ができ、大きくなると血管を詰まらせてその先の血管が壊死してしまう病気ですが、姑の場合は足の血管にできていて、時々痛んでいました。
そして大病院の検査の結果、足の血栓から剥がれた小さな塊が血流に乗って移動し、肺にまで流れ着いていたのが発見されたのでした。
これは医者にとって大きな問題になりました。
血栓が肺にできる病気を肺血栓塞栓症と言いますが、肺血管が詰まってしまうと最悪の場合死亡してしまうので、血液を薄める薬が処方されます。
しかし、この薬を使用していると出血時に血が止まらなくなるため、手術ができない。
そして、癌は今すぐに切除しなければならない状態にきている。
手術をするためには、血栓症の治療をいったん止めなければいけなくなるわけです。
そしてそれは、すでに肺に血栓ができている姑には大きなリスクになる。
体を流れる血の速さはその部位によって異なりますが、平均して1分間に約1.2キロも移動します。そして、手術中にまた足の血栓が剥がれ、肺に移動して肺の血管がふさがったら、酸素交換ができなくなって姑は死亡してしまうのです。
日本では考えられないことですが、ドイツでは癌宣告はもとより、こういう生死にかかわることまですべて患者に説明します。
そばに家族が付いているわけでもない。
患者は一人で全てを受け入れなければならないんです。
病院で癌宣告を受けた後、姑はすぐに家族に電話で報告しました。
家族が受けたショックは大きかったですが、その後で来た手術のリスクの話に愕然となったのはお判りでしょう。
姑が病院にいると聞いて、たくさんの人が家のほうに電話をかけてきました。
舅はそのたびに姑の病状を説明しなければならず、自分が参ってしまう寸前でしたが、すべての検査を終え、手術の日まで家にいったん帰ってきた姑も同じ状態に追い込まれてしまいました。
お見舞いの電話やお見舞いの花を持ってきてくれた人たちに、手術中に自分が死ぬかもしれないことを何度も説明しなければいけないなんて、これほど残酷なことはありませんよ。
ついに、ダンナの妹が家族のスポークスマンになることを宣言し、家にかかってきた電話は彼女に行くようにしました。
手術の日が近づいてくるにつれて、姑の苦悩は大きくなっていったはずです。
手術が成功する可能性も大きいけれど、彼女にとっては死の宣告を受けたも同然なんですから。
たった1週間で死への心構えができる人なんているでしょうか?
奈落の底に落とされて、這い上がってこられないのは普通でしょう。
そんな状態で何度も自分の病状の説明をしなければならなかった彼女は、苦しかったでしょうに・・・
手術前日の日、姑はまた病院に入院しました。
彼女がどんな気持ちだったか、誰にも知りえません。
手術は約6時間の大手術でした。
その間中、彼女の家族や親戚、友人はみな、彼女のために祈っていました。
彼女を失うかもしれない恐怖感と戦いながら・・・
手術が終わる予定の時間が過ぎ、そろそろ病院から連絡が来るかと時計を何度も見る中、
1時間が経過し、
2時間が経過。
それでも連絡は入ってこず、家族が待つ部屋には緊張した空気が漂ってきました。
なぜ連絡が来ないんだ?
何か起こったのか?
彼女は大丈夫なのか?
そして2時間半が経ち・・・・・・やっと病院から連絡が来ました。
姑の手術は成功したと!
ほっとしたのと同時に、みんなの顔に笑顔が戻ってきました。
病院は、姑が完全に覚醒するまで大事を取って待っていたんだそうです。
こっちはそういうことを知らないから、顔がこわばってきてましたよ~
すぐに舅とダンナの妹が、姑の様子を見に病院に向かいました。
姑は大手術で疲れ切っていましたが、ちゃんと話もできる状態だったそうです。
それを聞いて私たちも、やっと安心できました。
麻酔から目覚めたとき、姑は心からほっとしたでしょうね。
自分がまだ生きていることを、神様に感謝したかもしれません。
最悪の事態にならずに、本当に良かったです。
姑の癌との戦いはまだ始まったばかりだけれど、幸先のいいスタートです。
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でも、ご本人もまわりの家族も心身共に落ち着かない日々だったのですね
こういう状態の時、周りの人の心配は有難いけど、冷静な状態に自分を建て直し、一つ一つ説明していないといけないというのはさぞかし苦痛だったでしょうね
親切もこういう場合、相手を傷つけてしまうこともあるのですね
私も今まで市の検診などを利用してこなかったので、今年からいろいろと受けていますが、ドキドキしますよ~
今まで見ないようにしていたことと向き合わないといけない場合も出てくるかもしれないし・・・
今回の腰痛でもまったく理由がわからなかったのであちこち病院に行きましたが、これだ!というわかりやすい結果が出たわけでもないし・・・
そうするとあれこれ最悪な事を考えたりしてしまいますしね(お陰様でなんとか治りつつありますが)
お姑さん、まずは手術が成功して良かったですね
これからまだすべきことはあるでしょうが、順調に体力が回復し、気持ち新たに治療に向き合っていけますように・・・
ラーダさんへ
驚かせてすみませんでした。
突然だったこともあって、手術までの間は本人も家族も沈痛な表情をしていました。
本当に死の宣告を受けたような気持ちだったんですよ。
>親切もこういう場合、相手を傷つけてしまうこともあるのですね
お見舞いしてくださった方たちは姑が医者に何を言われたか知らなかったので、仕方がないところもあるんですが、病状を自分で何度も説明しなければいけなかったのは本当に可愛そうでした。
市の検診があるのはいいですよ。
ドイツではそういうのはないから、自分で医者に検査を頼まないといけないんです。
どんな病気も早期発見が要ですから、定期的に検査を受けてくださいね。
>今回の腰痛でもまったく理由がわからなかったのであちこち病院に行きましたが、これだ!というわかりやすい結果が出たわけでもないし・・・
腰痛って運動不足でもなるし、足から来ることもあるし、私のように冷えてもなるし、原因を特定するのが難しいときがありますね。
でも、腰痛体操は一般的な腰痛には有効だと思いますよ。
姑は大分回復して来ました。
手術前とは全く違う、生き生きとした表情になっているのが嬉しいです。
新しい命を貰ったと言っているので、これからの治療生活もがんばってくれると思います。