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旅行+生活情報+ドイツ語と、ちょっと言いたい今日のドイツ

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2011/06/21 (Tue)
ノルマンディー上陸作戦のパラシュート部隊の町
ノルマンディー上陸作戦のメインは文字通り海外への上陸ですが、上陸直前に落下傘部隊が海岸の内陸部に降下し、続いて船と飛行機が海岸のドイツ軍に対して空と海からの砲撃を加えました。
後方からドイツ軍を襲撃する使命を負ったアメリカ軍とイギリス軍のパラシュート部隊は、真っ暗な夜の空に次々にパラシュートの華を咲かせ、ドイツ軍が占領する地域の真っただ中に降下していったのでした。

U.S_Army_paratroopers_1942.jpg
降下を待つ兵士たち 1942年 Wikipediaより

U.S_Army_paratroopers_1944.jpg
オランダに降下する落下傘部隊 1944年 Wikipediaより

アメリカ軍のパラシュート部隊は有名な映画「史上最大の作戦」にも出てきますが、この作戦で世界的に有名になった兵士が一人います。
その名はジョン・スティール二等兵。

ユタビーチに上陸するアメリカ軍をドイツ軍の背後から援護するために、Sainte-Mère-Église(サン・メール・エグリーズ)とその周辺地域に落下傘部隊が降下しましたが、このとき彼のパラシュートが町の教会の塔に引っかかってしまい、にっちもさっちも行かなくなってしまったのが、彼が有名になったきっかけです。

彼に気がついたドイツ軍兵士に足を打たれましたが、とっさに死んだまねをしたためにそれ以上の狙撃を受けず、死を免れました。
戦闘があった2時間、そのまま死んだふりをしていたそうです。

f5af96c0.jpg
サン・メール・エグリーズの教会。矢印のところにひっかかり、動けなくなった

4f64d020.jpg
この格好で2時間死んだふりをしていた

この夜は空襲のためにいくつかの家が燃えていて、空から降下してくるパラシュート部隊がドイツ軍にはっきり見えてしまい、狙い撃ちされる結果となりました。
家の屋根や旗のマストなどに引っかかってしまった兵士は、パラシュートから自分の体を外す暇もなく、次々と息絶えていく地獄絵だったようです。

そんな中、ジョン・スティール氏は死んだふりをしていたために生き残り、後でドイツ軍の捕虜となりましたが、脱走して再びアメリカ軍に合流。
この地を去った後も、他の戦闘地へ送られた彼はいつも生還し、32年後に57歳で他界しました。
まさに、強運の持ち主です。


当然ここの博物館は、上陸作戦時にこの周辺に舞い降りた、空挺部隊「Airborne」の博物館です。
空挺(くうてい)とは、飛行機から兵士が落下傘(パラシュート)で降下すること。
つまり、落下傘部隊のことになります。

airborn_museum-1.jpg
サン・メール・エグリーズのAirborne museum 敷地内。対空砲や戦車が見える

airborn_museum-2.jpg
パラシュート部隊を運んだ輸送機、C-47が展示してある

airborn_museum-4.jpg
C-47は大きすぎるため、まず飛行機をここに運んできてから、テントが上に作られた

airborn_museum-5.jpg
もう一つの展示場は、パラシュートを意図した建物

airborn_museum-6.jpg
パラシュート型展示場の内部。落下傘部隊とともに、地面に強制着陸したグライダー

展示品の中には当時の写真や遺品などもたくさんあります。
この作戦で命を落とした兵士たちの記録もあり、今自分がいるところが67年前には戦地だったことを痛感します。

airborn_museum-8.jpg
墜落したC-47と乗っていた兵士

airborn_museum-9.jpg
戦死したアメリカ兵の遺品

展示館から外に出ると、対空砲が展示してあります。
さびもなくきれいですけど、これは実際に使われたものなんでしょうね。

airborn_museum-3.jpg
恐らく当時使用されていただろう対空砲

airborn_museum-7.jpg
子供たちに人気の対空砲。平和な風景です。

エアボーン博物館は入館料7ユーロ(大人)
軍人であれば、国籍不問で無料になります。
そしてもちろん、第二次世界大戦に軍役についていた元兵士も無料です。
子供料金や開館時間などは下の公式サイトで確認してください。

Airborne Museum
博物館の案内ビデオ

場所は下の地図で確認できます。
Google map は便利ですね~


最後を飾るのは、アメリカ軍のエアボーンのビデオです。
あちこちに出ていたビデオを一つにまとめたもので、演習時と実戦時がごちゃまぜになっています。
どれが演習でどれが実戦か、画像の違いで分かるかも。
最後に赤外線カメラでのビデオが出てきます。
ということは、実戦時に撮影されたもの。

外に飛び出していった兵士たちは、そのあと無事だったんでしょうか・・・



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